電気ボイラーとは ~概要と特長~
近年、脱炭素社会に向けた取組みとして、ボイラーの電化を検討をされているお客様が多くみられます。しかし、ボイラーには、熱源が燃料・ガスの『燃焼ボイラー』と熱源が電気の『電気ボイラー』があり、それぞれに特長があります。
導入検討するにあたっては、それぞれの特長とメリット・デメリットを理解したうえで、用途にあったボイラーを選定することが大切です。
本記事では『電気ボイラー』についての特長をまとめました。
「電気ボイラーとは何か?」「電気ボイラーにはどんな特長があるのか?」などについてご紹介します。
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電気ボイラーとは
電気によるジュール熱で温水または蒸気を発生させる装置が電気ボイラーです。電熱線を直接または絶縁して缶の中に入れる「発熱体式」と、水の抵抗を利用し電極間の水に電気を流して発熱させる「電極式」があります。発熱体式電気ボイラーは小型用、電極式は大型用で用いられ、ともに発熱部が缶の中にあるので効率が高く、燃焼ボイラーのように「燃料配管」「バーナー」「排気装置」などが不要で、「自動調節が容易」「作動中の監視の手間が軽減される」などの利点があります。
電気ボイラーの特長
●省スペース化の実現と蒸気ロスの削減
バーナー等の燃焼装置の設置スペースが不要なため、燃焼ボイラーと比べコンパクト設計となり、設置場所の選択が広がる(相当蒸発量150kg /h未満の小型なボイラーの場合)
・コンパクト設計により、ワークポイント近くへの設置が可能となり、蒸気ロスが最小限に抑えられる
●メンテナンス費用の削減
・電気ボイラーは煙突や燃料配管等の付帯設備が不要となるため、メンテナンス費用の削減が期待できる
●低燃費・低騒音
・燃焼ボイラーと異なり、電気ボイラーは燃焼後に出てくるガスを排気する必要がないため、排気熱のロスがない
・電気ボイラーは燃料の燃焼がない分、音が小さく、夜間の運転でも周辺環境に音が漏れにくい
●カーボンニュートラルと親和性が高い
・電気を使用する事で、事業所における設置場所での温室効果ガスの排出削減に貢献できる
▼同じ伝熱面積の燃焼ボイラー比べて蒸気発生量が少ない
・電気ボイラーは、電気容量を伝熱面積に換算している(1㎡=60kW)ため、エネルギーの投入量が制限されることにより、燃焼ボイラーと比べ蒸気発生量が少なくなる
▼燃焼ボイラーと同能力が必要な場合、設備が大型化する
・同能力の燃焼ボイラーと比較すると伝熱面が多く必要となり、電気ボイラーは装置が大型化する。また、大きな電気設備が必要となる
▼ランニングコストが高い
・電気の約70%は化石燃料による火力発電でまかなわれています。そのため燃料そのものを使用する燃焼ボイラーより電気ボイラーはランニングコストが高くなります(事業所では夜間だと電気代が安くなることがある(電気事業者との契約による)が、日中に動いていることが多いためコストは高くなる)
電気ボイラーのまとめ
・電気ボイラーとは、電気によるジュール熱で蒸気または温水を作る装置である。
・燃焼ボイラーと違い、燃料配管・バーナー・廃棄装置等が不要なことから、電気ボイラーは「自動調整が容易」「作業中の監視作業軽減」が可能である。
・電気ボイラーの特長により、「省スペース化」「蒸気ロス・メンテナンス費用の削減」「カーボンニュートラルとの親和性が高い」などのメリットがある。
・反面、同能力の燃焼ボイラー比較した場合、「設備が大型化する」「ランニングコストが高くなる」といったデメリットが電気ボイラーにはある。
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