安全増防爆構造とは

安全増防爆構造とは、正常な使用中にはアーク又は火花を発生することのない電気機器に適用する防爆構造であって、過大な温度上昇のおそれ並びにアーク及び火花の発生のおそれに対して安全性を増加し、これらの発生を阻止する手段が講じられた電気機器の防爆構造です。
安全増防爆構造の長所は軽量化が図れ、水素やアセチレンなどに適合する爆発等級3(グループⅡC)の防爆電気機器を製作する場合も対応が容易な点にあります。
その代わり、正常運転時には着火源とならない電気機器にしか適用ができず、防爆化できる機器が限定されます。

安全増防爆構造の仕組みの図

安全増防爆構造の電気機器を設計する場合は、絶縁性能の確保、絶縁劣化を防ぐことを目的とした容器保護構造の維持、内部部品を含む容器内外表面温度における要件への適合などを考慮する必要があります。

防爆構造の表記

安全増防爆構造は、“e” と表示されます。

防爆構造の構造規格による防爆記号の表記方法

そのほかの防爆構造

電気機器の防爆構造は、防爆性を保持する為のプロセスにより、主に下記8種に分類されており、「危険場所の種類」により適用可能な防爆構造がそれぞれ定められております。

耐圧防爆構造
記号(d)
全閉構造で容器内部で爆発性ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐え、かつ、外部の爆発性ガスに引火するおそれのないようにした構造
油入防爆構造
記号(o)
電気機器の電気火花またはア-クを発する部分を油中に収め、油面上に存在する爆発性ガスに引火するおそれがないようにした構造
内圧防爆構造
記号(f)
容器の内部に保護気体(清浄な空気または不活性ガス)を圧入して内圧を保持することによって爆発性ガスが侵入するのを防止した構造
安全増防爆構造
記号(e)
正常時及び事故時に発生する電気火花または高温部を生じてはならない部分に、これらが発生するのを防止するように、構造上及び温度上昇について特に安全度を増加した構造
本質安全防爆構造
記号(i)
正常時及び事故発生に発生する電気火花または高温部により爆発性ガスに点火しないことが公的機関において試験その他によって確認された構造
特殊防爆構造
記号(s)
記号(d. o. f .e. i)以外の構造で、爆発性ガスの引火を防止できることが公的機関において試験その他によって確認された構造
非点火防爆構造
記号(n)
正常運転中及び特定の異常状態で、周囲の可燃性物質が存在する雰囲気を発火させる能力のない電気機器に適用する防爆構造
樹脂充填防爆構造
記号(m)
火花又は熱により爆発性雰囲気を発火させることができる部分が、運転中に発火源とならないように、樹脂の中に囲い込んだ防爆構造

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